政治の縮図、千代田区で起きていること≪なぜ百条≫
千代田区長への三番町マンション優先販売問題
~コロナ後のあり方、首長職権と便宜供与をめぐって~
★6月16日(火)午後3時~
千代田区長石川雅巳氏へ百条調査に基づく証人出頭請求
千代田区議会8階第一委員会室
☆これまでの経緯
■本年3月6日(金) NHK報道
千代田区の総合設計制度を適用し、容積率を緩和した三番町のマンションを公募抽選によることなく、3戸ある「事業協力者住戸」のうち一戸を千代田区長がご家族と共有で購入し、入居している旨のテレビ報道がなされた。
これは、木村区議が数年来取り上げてきたことで、
ライオンズ➡三菱地所➡住友不動産➡三井不動産、そしてこの度の三番町も三井不動産。
4戸目さくらテラスまでは、不当なことだとは言え百条委員会を設置するまでにはいたらなかった。
百条を設置するということのハードルは極めて高い。
しかし、公募抽選なしの優遇物件であることを、調査力の高いNHKが見出し、予算委員会で区長自身もも「知らなかった」としつつ、事実として認めたことから、百条の成立要件を十分に満した。
もし、あの時に決断しなければ、事業者に圧をかけて、事実をゆがめることもできたかもしれない。
そのくらい、地方分権下におけるまちづくりを掌握する、公務員と首長の権限は強大だということを、知っておいて欲しい。
■3月9日(月)
千代田区議会予算委員会(議事録全文以下↓)
https://gikai-chiyoda-tokyo.jp/about/nittei/kiroku/yosantokubethuiinkai/020309yotokukiroku.pdf
≪午前はコロナ集中議論、後半午後の部は議事録P23~≫
読む暇のない方のために、要約します。
➡区長は「三井不動産から事業協力者の提供を受けたことは確認している。」
(議事録P27~)と認めた。
➡さらに「一つの人格ある大人(次男さんのこと)が制度の中で申し込みをした。・・私が説明するいわれなない。」として、家族がやった、自分は知らない、お金を出しただけ・・と。
➡そして、「区民に対してしっかりと説明をして欲しい」という問いに「今回の報道に関しましては、必ずしも事実と違う部分が報道されたという風に私は思っておりますので、区民にわかりやすくこの問題を説明することを考えております。」(議事録P42)と答えるも、現在に至るも、一切の説明を果たしていない。
この日のうちに百条調査の必要性が確認された。
■同日3月9日(月)夕刻、
岩佐区議からは、東京ミッドタウン日比谷について、重要な問題提起があった。 (議事録P59~)
私は富士見のさくらテラスの億ションを家族で購入、区長の許認可で410%を930%にまで引き上げたマンションを家族で買って転売7千万円の利益を上げていた件(6月11日発売の文春に詳しい)で頭がいっぱい、正直驚いたような次第。つまり、5期20年で5棟もの億ションを買っては転売していた区長には、論点がありすぎて絞り込めないほどなのだ。
以下概要⤵
当該マンションの販売業者が「東京ミッドタウン日比谷」の再開発事業者と同一グループの事業者であり、当該開発にあたっては、区道を付け替えて生み出された約2000㎡に及ぶ千代田区でもっとも高額な区有地(200億円を超えるともいわれる)等を、千代田区議会に何ら報告相談一切なく、誰にも知られないよう、ごくごく秘密裏に当該開発に20年間、無償貸し付けを行っていた。
こうした事実を踏まえ、総合設計制度及び地区計画制度の運用にあたって、区の事務執行が正しく行われていたのかについて調査するため、千代田区議会は百条委員会を設置した。
(3月11日本会議場で議決、都ファと公明退席の上、全会一致)
■4月24日(金)
初の百条委員会には、コロナを理由に問題をうやむやにするなという区民が傍聴にかけつけ、
傍聴アンケートでは、「インターネット中継を求める」と書いた方が9名もいたという。
委員会の中に異論もあり、また環境が整わないのではないかとの問題もあり至らない可能性も高い。
申し訳ありませんが、傍聴という方法しかない場合は、傍聴室が確保されていますので、コロナ予防対策を十分にして区議会へおいで下さい。ご自身の目で耳で真実を見極めていただきたくお願いします。
◆6月8日(月)
さらに驚きの出来事!!
区長は代理人を立てて「この調査が不当な調査である、調査の議決を撤回せよ」と、議会あてに「意見書」なる書類を送ってきた。意見書と回答書は、手続きを経て公開されますが、それに回答するとさらに立て続けに、もう一本信じられない意見書(マスコミに情報を漏らしているのは議会ではないか?というような・・)を送り付けてきました。
二元代表制というものを何もわかっていないふるまいに、驚くばかりです。このようなことを言ったら、首長が職務権限を濫用してどのような利益を得たとしても、議会は問えないとなる。贈収賄にもなりうる事案とまで言われるこの件は、地方分権下において大きな権限が肥大化した首長とデベロッパーの節度ある関係が問われる重要事案なのだ。
代表質問(議事録全文P5~7)
https://gikai-chiyoda-tokyo.jp/about/nittei/kiroku/honkaigisokuhou/020608honkaigisokuhoukiroku.pdf
◆6月16日(火)午後3時~
全日の15日は第2次コロナ補正予算、
閉店相次ぐ地域への経済支援が何もない、驚くべき予算に
議会は深夜までの作業と調査が続いている。
考え方は一貫している、区民の困窮に寄り添う意識の薄さ、公共事業とマンション開発のためにただただ膨れ上がった千代田区の予算を見れば、「コロナ危機に百条を進めるのはいかがか」という問いが、いかに的外れかがわかってもらえると思う。
地方自治とは何か、政治とは何かが激しく問われている。
追伸:
都知事選が目前である。
小池都知事は都市政策やご自分の公約にあまり関心がないのではないかと思われる。
石川区長は、3年前、小池さんの風を受けトリプルスコアで5期目の当選を果たした。
次回への執念もなみなみならないものがあった。
そうした政治権力に絡む意欲と執念はこうしたブログで表現するには限界があると思っている。
参考:
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/31363.html
NHK「おうちで学ぼう」より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60106550Y0A600C2L83000/
文春オンラインより
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60106550Y0A600C2L83000/
日経新聞「区長、百条撤回求める」より
2020.6月12日
小枝すみ子@千代田区議会より