令和5年第2回千代田区議会定例会継続会 ちよだの声 代表質問と回答全文

ちよだの声を代表して、4番小枝すみ子議員。

小枝議員/令和5年第2回定例会、新しい区議会の始まりに当たりまして、ちよだの声を代表して、大きく5点にわたり質問をいたします。

まず最初に、行政・議会等が住民の声を聞いて計画変更を成し遂げた成功事例について、何います。

先日10日ほど前、住民主催で行われた「神田警察通り周辺まちづくり研究会」に参加させていただきました。

講師は、千代田、港、新宿の3区で策定した外濠保存計画でもお世話になった、現在東北大学教授の窪田亜矢先生でした。

1960年代の日本がそれまでの日本の町並みをつくってきた絶対高さ制限を中心とする都市計画をやめて、アメリカ型の容積率制度を取り入れたということは私自身も少しは知っていましたが、東京、とりわけ丸の内が見本としたニューヨーク中心街のマンハッタンにおいて、生活環境の危機や歴史的建造物の滅失に危機感を抱き、女性を中心に大きな運動が起きて、歴史的保全条例という大変踏み込んだアクティブな制度が整備されていることを、私はあまりよく知りませんでした。

マンハッタン地区においては87地区が歴史的地区に指定され、界隈の住民らが自らの界隈の価値を考えて、守り、継承する、そんな公開型の審査制度が町並み保存の仕組みとして展開されていることを学び、驚きました。

質問に先立ち、私がこの場で最初にお伝えしたいのは、日本は都市政策においてアメリカの都市計画を模倣して容積率精度を導入したわけですが、その際、一方のみを導入し、都市を保全するための仕組みについては導入されなかった、あるいは不十分だったという中で、住民も行政も議会も大変な苦労と努力をしてきた、あるいは現在もしているということをお伝えをしたいと思いました。

これから7つの事例を紹介しますが、まず最初は、この1枚目を御覧ください。

基本構想にもこうした形で、先ほどもありましたけれども、幾つかこの写真が使われております。

現在、多くの国民から愛されている赤レンガの東京駅舎。

この駅舎については千代田区というより国民的レベルの運動でしたけれども、制度、仕組みが十分でない中で、国民、文化人が声を上げ、行政、政治家、事業者がこれを受け止めた結果、今でも輝く、ここにこうして存在する、そうした事例の一つだと考えております。

1987年のことです。

4月の新聞紙上で東京駅高層化計画が報じられると、豊島区雑司ヶ谷で明治の旧宣教師館を保存した主婦グループや谷根千の森まゆみさんをはじめとする「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」が、JR東日本社長と東京駅駅長に赤い花束と要望書を提出したとのことです。

同年12月には作家の三浦朱門氏と女優の高峰三技子氏が発起人360名の筆頭代表になり国会諸願を開始、衆参両議院の建設委員会、運輸委員会で活発な議論がなされました。 その結果、1988年「東京駅は現在地で形態保全」と国土庁から発表されました。 しかし、「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」は、これを玉虫色の結論であるとして、動きを止めることなく、引き続き毎年2月14日にバレンタインチョコをJR東日本に届けるなど、復原保存、このフクゲンは復に原っぱの原ですけれども、復原保存の要望を続け、最終的には1999年石原慎太郎都知事の誕生によって、東京駅の復原が決定したとのことです。

東京駅の赤レンガ駅舎は、都民市民の思いと政治家、行政、事業者が一致して導き出した歴史的建造物保存の稀行な事例だったと思います。

誰かが声を上げなければ失われていたもの、失われていた風景、失われていた空間、失われていた財政支出があったことを千代田区の若い職員の皆さんにもぜひ知ってもらいたいと思います。

また、逆側から言えば、誰かが声を上げ、それを受け止めた行政や政治家がいてくれたので、失われずに済んだということでもあります。

「東京駅の赤レンガ駅舎」は一つの時代の象徴ですが、首都であり、政治経済の中心でもあり続けた千代田区は、1、解体の方向にあったものを保存活用した事例、2、建設の方向にあったものを建設しなかった事例、3、高層に決まっていたものを中低層に書き換えた事例は各地にあります。

ここでは特徴的なものをあと6点、紹介をさせていただきたいと思います。

例えば、この2点目の事例。

神田駿河台のとちの木通りに残る「文化学院アーチ部分の保存」についてです。

これは同窓生をはじめ、住民の要望を受けて、千代田区が事業者と調整をし、ここにこうして残ることができました。

文化学院は創設者である西村伊作氏の設計ですが、現在でもこの界隈の風景を創出し、近隣にもアーチ型のデザインが波及され、とてもよい景観が育まれています。

次に、3点目です。

神田錦町に残る博報堂旧本社社屋です。

1930年に明治生命館の設計も手がけた岡田信一郎氏によって設計されたものですが、2009年「博報堂旧本館の保存活用に関する陳情」を受けて、千代田区の創意工夫によって、現在の形態保存と公園の整備に至ったものです。

4点目です。

九段下の交差点にある昭和館。

こちらは1994年、九段下に突如として高さ60メートルの戦没者追悼平和祈念館(仮称)が計画されるということに対し、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設に対する陳情が出され、千代田区議会が全会一致でこれが採択されました。

これに千代田区議会が全会一致で異議を唱えたわけですが、現在の7階建ての昭和館、この高さというのが検索しても全く出てこないんですけれども、かなり低くなったと思います。

これについては、ここはそもそも公園緑地という土地でしたから、国家の安寧のためにも本当は何も建てないことが望ましい土地ですが、その後も九段会館へ移設するなど、撤去できないものかなど様々な議論がありましたけれども、そういう意味では成功事例というより課題解決道半ばという事例として申し上げておきたいと思います。

5点目です。

過日設立30年の式典を行った九段小学校校舎です。

関東大震災後の復興小学校でありますし、産業遺産指定がされていますが、人口増と新しい校舎を望む保護者の声もあったことから、当初、形態保存を取り入れた新築建て替えが検討されていました。 そこに同窓会などから保存復原を望む声が上がり、区議会と行政が知恵を出し合った結果、現在の一部保存型の建て替えになったと記憶します。 これは住民、議会、行政が力を尽くした成功事例といえるのではないかと思います。

6点目です。

住民の声を受けて、旧小川小学校跡地と神田公園の保存がなされた事例についてです。

左側は小川小学校跡地、今の小川広場に建設予定の総合文化施設の図面です。

千代田区が100億円をかけて建設する予定でしたが、地元の女性の町会長を中心に反対運動が起きてこの施設は建設が中止になりました。

右側は、神田公園の上に完成する予定だった複合施設です。 これも住民から強い反対の声が起きたことにより、この計画もキャンセルになりました。

皆さん御存じのとおり、神田公園は無事に保存され、旧小川小学校も広場として、子供たちの遊び場としても、運動の場所としても近隣住民に愛されています。

 

最後、7点目です。

1990年代、駐車場が足りないという行政の課題意識の下に、秋葉原つくばエクスプレス側の駅前広場と紀尾井町清水谷公園の双方に、100台規模の地下駐車場を造る計画がありました。

この点については少し記憶が正確でないところもありますが、行政側は、国の補助金もいただけるという段取りが整っており、議会は同一モデルを見に北九州市まで視察に行きました。

しかし、住民からそれぞれ反対の陳情が出て、おおいに議論をされた結果、いずれの計画も中止の判断となりました。

区営駐車場の建設は1か所100億円レベルの大規模な支出が予定されていました。 造らなかったことによる支出の削減効果、その後の維持費の負担、そして何より現在の駐車場の供給過剰であることからもあの時に立ち止まって本当によかったと思います。 他区では同規格のものがどんどん造られていく中、千代田区では支出しないで済んだ数百億円のこの財源は、教育や福社の財源となったのですから、当時の住民と千代田区・区議会の賢明な判断だったと思います。

以上の出来事から、区の職員の皆様にも気がついていただきたいことは、どのような時代にも行政の方針に異議を唱える人々の声が行政にとっては心地よくないことである場合もあります。

しかし、行政はそれに耳を傾けてきたということです。

多くの場合声を上げるのは、住民、とりわけ、女性の方々が多くあり、生活の視点から敏感にその是非を感じ取って発信している場合も少なくなかったと感じています。

女性の視点、多様な視点をボトムアップで吸い上げ耳を傾けることで、かけがえのない千代田区の景観や財産が維持できるのではないでしょうか。

区のお考えを伺います。

現在、コロナ禍を経て、生活環境の危機や歴史的建造物の滅失の危機が新しい段階にあります。

このようなときは、なお一層住民等の声に真摯に耳を傾け、暗礁に乗り上げている様々な案件についても、総合調整者としての役割を発揮していただきたいとお願いを申し上げます。

行政・住民等が住民の声を聞いて計画変更を成し遂げた様々な成功事例について検証し、住民や職員と共有することで、現在の区政運営の一助となるのではないかと考え、改めてここでお伺いをする次第です。

大きな2点目です。

「地域清掃における参画協働の仕組みづくり」について、伺います。

千代田区では6月と11月に「千代田区一斉清掃の日」として、400団体以上の参加を得て、6000人から8000人の参加をいただき、清掃活動を行うことが定着してきています。

新型コロナによる中止もありましたが、平成14年に生活環境条例を制定してから約20年がたっております。

こうした取組を行ってきたことについて、千代田区の成果と課題について現在どのようにお考えか伺います。

加えて、町会や地元企業、学校組織などの団体型のみならず、例えば渋谷区のように、一人からでも気軽に参加できる清掃ボランティアの仕組みを千代田区でも検討してはどうかと考えます。

私もかれこれ四、五年、月に一度の清掃活動に参加させていただいておりますが、ボランティア登録をしておけば、清掃事務所がボランティアシールを配付してくださり、決まった場所に回収に来てくれます。

朝の清掃活動は気持ちのよいものです。

ある商店街では、毎月1日のお昼をめどに女性部が集まって、どぶの板まではがしながら大掃除をし続けています。

ある通りでは、事業所の若者が毎朝自主的に清掃をしてくださっております。

学生さんたちが、ごみ拾いをしている姿もよく見かけます。

これらは全てよい風景です。

一方で高齢化社会ということで、これまで当たり前に行ってきた清掃作業が困難になっている部分もあります。

これまで何十年も当たり前に見てきた、ある広大な民間の樹林がありますが、そこから落ちる葉っぱを誰が清掃するのかともめごとになり、もう少しのところで全て刈り取られてしまうという危機がありました。

きれいなまちで過ごしたい、自分の好きなまちをきれいにしたい、そういう当たり前の思いをつなぐことはできないものでしょうか。

千代田区は6つの出張所に分かれております。

清掃するにはごみ袋、軍手、トング、ほうき、ちり取りなどが必要です。

通りごとに拠点を決めて、可能なところから登録をして、例えば、第1土曜日の朝8時から9時までという感じで定点を決め、新住民でも在勤者でも、あるいは元住民でも参加しやすくしてはどうでしょうか。

拠点に行けば清掃の道具が借りられ、ごみにはボランティアシールを貼って出せるようにします。

また、近所のカフェなどで使えるポイントが得られるちよだアプリなどを開発して、字生さんが参加したくなるようにすれば、学生の多い千代田区では、いつでもきれいなまちでいられます。

用具の貸出し、拠点への支援、清掃ボランティアのちよだアプリ開発など、道路清掃が人々の喜びとなるような仕組みづくりを検討する意向はありませんか。

お答えください。

大きな3つ目です。

官と民が協働する団体補助の在り方について伺います。

第4次基本構想に示された将来像は、地域団体との協働があってこそ実現できます。

現在は「区商連」とか「体育協会」など、①事務局、②拠点施設、③財政支援、この3点セットがしっかり整って、官民協働のヨコ連携体制が継続しているすばらしい事例があります。

一方で、同様に重要な公益的な意味を持ち、かつ、つながって活動することに大きな意味がある団体でありながら、例えば、障害者福祉の団体、あるいは環境リサイクルの団体、あるいは文化芸術活動の団体においては、団体が拠点とする施設や団体の事務を処理する人物や団体同士が連携し、新しい参加者にも門戸を開き対応する活動などを支援する体制が、先ほど挙げた団体に比べるとあまりにも不十分な状況です。

千代田区において第4次基本構想に掲げる目標を実現するのに、公共、公益的団体のつながりや広がりを支援することが切実に必要になっていると考えますが、区のお考えを伺います。

平成26年に取りまとめられた「千代田区の補助金の在り方に関する意見書」には、補助金の4点の役割の1つに次のように掲げられています。

そのまま読み上げます。

「補助金が自治意識を釀成し、区民の参画・協働を促す積極的なツールと成り得ることを認識し、その活用を促進していくことが求められている」と。

私はここに書かれているとおりだと思います。

公益的活動をされる方々がより豊かに安定して活動を継続していくためにも、平成26年にまとめられた在り方を、少し時間がたちましたけれども、実働段階としてその先に進める作業が必要だと思いますが、お考えを伺います。

 

大きな4点目です。

高齢者が外出したくなる「イス」のある道づくりについて伺います。

歩いて楽しい街にしたい、超高齢化社会におきましては、ウォーカブルな道づくりを進めるといっても、休むところや荷物を置けるところが大切だと言われております。

そんな声は千代田区に届いていないでしょうか。

ある商店街では竹細工のイスを商店街全体に置いて、来街者に座ってもらおうとしていた時期がありましたが、いつの間にかやめてしまいました。

街路樹の隣にイスを置く、交差点の近くにイスを置くなど、高齢者に優しいまちに向けて努力をしてはどうかと考えますが、区のお考えを伺います。

最後に、箱根千代田荘の今後について伺います。

軽井沢少年自然の家は、整備の方向が示されました。

さきの公共施設特別委員会の調査検討と行政の精力的な取組の結果であると、区民から高い評価を頂いております。 教育活動としても、災害時の受皿としても、文化活動の拠点としても、有意義なものになると確信をいたします。

一方で、箱根千代田荘は、いつ誰の判断で、いかなる理由で休止になったのか。 近隣区の同様の施設が問題なく稼働していることをよく知る区民からは、率直にどうなっているのかと問われ、私自身は十分な説明をすることができず大変困っております。

この際、現時点で千代田区の公式の見解と見通しを伺いたく、答弁を求めます。

以上、大きな5点につきまして、区長並びに関係理事者の前向きな答弁を求め、私の質問を終わります。 ありがとうございました。

 

議長/区長。

区長/小枝議員の「地域清掃における参画協働の仕組みづくり」についての御質問にお答えいたします。

毎朝、自宅の周辺を当たり前のように掃除をしてくださる方々、あるいは街路樹の落ち葉を毎日毎日、何度も掃いてくださる方々、こういった方々の御協力があってこそ、区内の環境が保たれるとともに、まちの安全、安心にもつながっていると、本当に頭の下がる思いであります。

また、道路や公園、町なかだけでなく、オフィスや学校、建物の中など、いかなる場所におきましても、ごみを拾う、掃除をする、きれいにしていこうと、こうした行動意識が自然にできることこそ大変すばらしいことだと認識しております。 清掃のやり方、機会は様々だとは思いますが、一人でも多くの方が千代田区の環境美化に御参加いただくことは豊かな地域社会をつくる上で大変重要であると、私は考えております。 なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者から答弁いたします。

議長/地域振興部長。

地域振興部長/小枝議員の御質問に区長答弁を補足してお答え申し上げます。 初めに、「地域清掃における参画協働の仕組みづくり」についての御質問でございます。 区内10地区で毎月実施をされております「合同パトロール」では、町会の皆さんをはじめ、PTA、事業所、学生など、多くの方々に御協力をいただきながら、20年以上もの間、継続的に実施しております。 また、年に2回の一斉清掃では400を超える団体、5000人以上の方々に、毎回御参加いただいておりますことは議員御指摘のとおりでございます。 さらに昨年度からは「秋葉原クリーン大作戦」と称して、万世橋警察署長をはじめ、区の職員、ボランティア、地元小学生などとともに、秋葉原周辺の街路灯や標識柱に貼付されていたステッカーを剝がし、地域の安全、安心につなげていく取組も実施したところでございます。 このような清掃活動を通してコミュニティの輪が広がる可能性は十分にあると感じておりますので、小枝議員御指摘の、清掃活動が人々の喜びとなるような仕掛けづくりにつきましては、今後とも様々に検討してまいります。 次に、旧箱根千代田荘の今後に関する御質問にお答えいたします。 旧箱根千代田荘につきましては、昭和44年区直営の保養施設としての開設以降、改築、修繕を繰り返しつつ運営を行ってまいりました。 その後、平成18年には区の直営から民間事業者による運営へと切り替え、5年を一期とし、二期10年間、民間事業者による運営を継続してまいりました。 しかしながら、第三期、11年目以降の事業者を募集したものの、応募をしてくださる事業者がおらず、平成27年度末をもって営業を終了したところでございます。 この間、区議会から様々な御意見を頂きながら利活用について検討を重ねてまいりました。 そして、直近では、議員の御指摘ございましたとおり、令和3年5月に設置されました「公共施設調査・整備特別委員会」におきまして御議論がなされた結果、さきの令和5年第1回区議会定例会におきましては、「再開する際にはバリアフリーやユニバーサルデザインを取り入れた施設とすること」、「以前の区民向けの施設ではなく、一般の方も宿泊できる施設として運営していくことが現実的であること」、また「すぐに結論を出すのではなく、慎重に、中・長期的な視点での検討が必要ではないかとの意見も多く出された」と委員長報告がなされましたことは御案内のとおりでございます。 このような区議会からの様々な御意見を踏まえ、箱根地区における協定宿泊施設への区民宿泊助成制度を継続しつつ、望ましい在り方について改めて検討を進めてまいります。

議長/環境まちづくり部長。

環境まちづくり部長/小枝議員の高齢者が外出したくなる「イス」のある道づくりについての御質問にお答えします。 千代田区が管理する区道約130キロメートルのうち歩道が設置されている路線は約45キロメートルとなっております。 御承知のとおり、歩道には街路樹や街路灯などの道路附属物、道路標識や電柱などの占用物件等が設置されており、十分な有効幅員が確保できていないところも多く見受けられます。 このため、自転車利用も踏まえながら、歩行者等の安全確保の観点からイスの設置にあたっては道路管理者として慎重な検討が必要であると認識しています。 また、占用物件としてイスを置く場合には、維持管理や台風などの場合への対応が課題となってまいります。 一方で、沿道建物の大規模開発や地区計画によるセットバックなどの契機を捉え、歩道上空地等を創出し、道路と一体的な歩行空間としてイスの設置などの機能拡充を図ることは、維持管理の観点からも有効であると認識しています。 ウォーカブルの観点からも、町なかで座れる環境を整備することは重要であり、道路管理者だけでなく、拠点開発やエリアマネジメント活動とも連携しながら、高齢者に優しいまちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。

議長/まちづくり担当部長。

まちづくり担当部長/小枝議員の質問にお答えします。 住民等の声を聞くこと、多様な視点から計画検討などを行うことは、まちづくりを推進する上で、非常に重要なことであると認識しております。 事例の中で挙げられた数々の計画については、都市計画に定めたもの区道を廃道したことにより実現したものもございます。 今後も適正に諸制度なども活用しながら、住民等のためにまちづくりを進めていきたいと考えます。 また、議員も御存じのように、千代田区は平成31年4月1日に景観法に基づく景観行政団体となりました。 歴史的建造物について今後も適切に対応をしてまいります。

議長/政策経営部長。

政策経営部長/小枝議員の官と民が協働する団体補助のあり方に関する御質問にお答えいたします。 初めに、公益的活動を行う地域団体への支援についてですが、各種の団体は、構成員の共通の利益のために組織され活動していると認識しており、各団体が主体的な運営に努めることが原則と考えております。 しかしながら、団体の活動が区の課題解決の方向性と合致し、協働による高い効果が認められる場合には、当該団体の活動目的や運営状況、公益性の程度、団体の規模と支援内容のバランス等を考慮し、支援が必要な場合もあると考えております。 次に、公益的活動を行う地域団体が安定して活動していくための補助金についてですが、平成26年度に「千代田区の補助金のあり方に関する検討委員会」から団体補助について御意見をいただいております。 主な内容としましては、「団体補助は団体の維持が目的か、活動の活発化が目的か。何を奨励するのかを明確にしたほうがよい。」 「公益的な事業の認定方法やそれに対する補助率の考え方を示す必要がある。」等の御意見がございました。 検討委員会に際しての区の基本的方針としましては、「団体補助を事業補助へ切り替えていく」としており、現在もこの方針は変わっておりませんが、意見書を踏まえて、公益的活動の継続を目的とした補助金の交付手法や選定手法などにつきましては、「団体補助」の在り方とともに研究をしてまいります。

議長/小枝すみ子議員。

小枝議員/自席から再質問させていただきます。

まず最初に、今の補助金のところから。 お座りになったのに申し訳ないんですけれども。 平成26年、報告は27年の3月だったと思いますけれども、ここで示された補助金のあり方に関する意見書、これは学者の先生方もお入りになっての検討なわけですけれども、それまで、基本、事業補助に切り替えていく、まるで、団体補助が何となくやめたほうがいいような空気がありましたけれども、そうではないと。

この団体補助については、今おっしゃったように、しっかりとした認定方法と位置づけを整備すれば、より、今回例に挙げたのは、障害者の団体であるとか、それから、環境団体であるとか、あるいは文化芸術の団体が横につながって、この基本構想にある目標を実現していくために有効に使われるものであるならば、位置づけていこうというものになったはずなんですね。

ところが、ぷつんと、前に進まずにたち消えてしまったんです。

いろいろあったとは思うんですけれども、そこの認識をもう一回しっかりと前に進めてくださいと。 商業の団体であるとか、あるいは何でしたっけ。 体育協会であるとか、やはりちゃんと区の施設に事務所も構え、OBの人が入って、横つなぎをしている団体は、やはりそれなりに課題はあるかもしれませんけれども、動きがしっかりと行政との連携も取れております。

そういう意味では、ほかのところにもしっかりと公平、公正性な立場から、門戸を開いていく必要があるでしょうという意味で今日の質問を申し上げているので、そこはしっかりと答えていただきたい。 ぜひそこはよろしくお願いいたします。

それと、もう一つ、今日一番最初に長々と申し上げましたのは、区長もこの大好きな、私も大好きです、東京駅の赤レンガ駅舎、辰野金吾さんのこの設計の、非常に美しい建物だと思います。

超高層云々の議論はあるけれども、そういうものが吹っ飛んでしまうぐらいの非常に美しい宝物のような建物だと思います。

これはバブルの一時期、解体の危機にあったわけです。

それでそれを守ろうとする人たちと一緒にこれを守ってきた。 これは千代田区区長じゃありませんけどね、国の政府の話かもしれませんけれども、そういうふうな流れがある。

千代田区には景観団体、景観なりましたよ、景観条例がありますよという話でしたけれども、ニューヨークのそれと比べると、全く公開性とか、それから審査のやり方とか、あるいは会議体の持ち方とか、全く違うんです。

私も勉強して間もないので、ぜひもっと勉強を深めていきますが、そういう課題意識からまちづくりのルール、つまり私たちも、部長も非常に御苦労されて本当に申し訳ないと思います。

けれども、本当に制度、仕組みを整えつつ、本当に住民も行政も前向きに仕事ができるように、ぜひ協働のまちづくりを行う体制をもう一回確認したいということで提案しましたので、1点目のところ、ぜひもう少し前向きな、もう制度もあるんです、何もあるんです、エリマネでやるんですという話じゃなくて、もっと制度、仕組みを、しっかりと町なみを保存し、保障するための制度が必要だという認識を共有したいなと思いますので、再答弁をお願いします。

議長/まちづくり担当部長。

まちづくり担当部長/小枝議員の再質問にお答えいたします。 歴史的建造物についてのその制度については、いろいろと検討していかなければならないと思いますので。 ただ、私が先ほど申したように、今現在としては歴史的建造物について、今後も前向きに、適切に対応していきたいというふうに考えております。

議長/政策経営部長。

政策経営部長/小枝議員の再質問にお答え申し上げます。 先ほど、私の答弁の中で、この意見書の中で団体補助は、団体の維持が目的か、活動の活発化が目的か、何を奨励するのかを明確にしたほうがよいという意見、また、公益的な事業の認定方法やそれに対する補助率の考え方を示す必要があるという御意見がございました。 これ、両立するのがなかなか難しいというのは、御案内のとおりだと思います。 様々な団体がある中で、どういった基準をつくれば、基準をつくること自体が何かの線を引くことになってしまいますので、そこはなかなか難しいというのが現状です。 何もしていないわけではなくて、様々な団体の補助の在り方を、今現在のものも見直しというか、見極めておりますし、新たな団体補助を考えるときにも当然、この基本に立ち返って検討していくと。 そういう中で、団体補助の在り方と補助金の交付の手法をあわせて、今、検討をしているということでございますので、かなり時間もたっておりますし、この後すぐにできるというものでもないのかなと思いますけれども、引き続き研究をさせていただければと存じます。