不正より需給漏れの方が・・・
吉本興業のお笑い芸人さんのお母さんが高所得であるにもかかわらず
生活保護を受給していたと騒がれています。
テレビを見ない私は、涙の会見なるものも見ていませんが
どうしてこのような方向で取りざたされるのか、違和感を感じます。
実際は、生活保護の申請すらできず、
あるいは申請しても受理されなくて餓死してしまうというようなケースが
あとを絶たない中で、貧困だった家の子どもが出世して、
今たまたま儲かっているからといって、もう少し冷静な対応ができないのだろうか。
数ヶ月前の事件を思い出しました。
誰も知らないはずの、この事件で、他の議員のブログに、
ひどい悪口が書かれていたらしい、、、、
「小枝さん一体どんな悪いことしたの??」と何人もの人に聞かれました。
まっ、それはいいことにしましょう。勘違いもありましょうから。
確か、3月の寒い寒い金曜日の夕方6時を過ぎたころ、区役所で残務を片付けていると、
ホームレス支援のボランティアをしている女性から、携帯に電話がありました。
千代田区のシェルターに身を寄せていた若者が、
所持金ゼロの状態で、路上に投げ出されたというのです。
実家は釧路か根室で漁師をしていて、震災以降、食うに食えず、
東京に出てきて、路上の人になってしまった。
千代田区の生活保護手続き中で、シェルターに入っていたが、
今日になって(つまり金曜日の夕方)、保護は出来ない、
北海道に扶養意思のある親がいるので、保護は出来ないことが決定したと通知。
正確ではないが、そうすると、シェルターにもいられなくなるとのことだったらしい。
そんな時間に、寒空に、無一文で投げ出されて、死んでしまったらどうするのか
私だったら死にたくなる、せめて、週末を超えられないものかと、
せめて、週末だけでもなんとかしてほしいと、
23区のホームレス保護をしている事業団や千代田区の担当職員に
ぎゃんぎゃん電話して、結局、千代田区の方で、対応してくれた。
週末を過ごして、その後のことは残念ながら、わからない。
その青年の北海道のお母さんは、年金5~6万円しかもらっていなくて、
とても青年を扶養する能力はないのに、千代田区から送られてきた調査票を見て、
怒りの電話「余計なことをしてくれるな」と電話をかけてきたらしいのです。
冷静に考えれば、新宿にも確かゲンさんがやっているシェルターがあったな
とか、いろいろ知恵が浮かぶけれど、その時は、どうしたらいいのだろうと
とまどうばかり。
青年とは、電話で話したきり、また困ったことがあったら、電話してくださいねと
言いましたが、もう連絡はありませんでした。
生活保護が申請されると、訪問や文書で、扶養の意思があるかどうかを
問う仕組みがあり、意思があれば、保護手続きはできないのだということを
私自身は、この時に知ったのでした。
いったん、わけあってホームレスになったとしても、意思と意欲があれば、
社会に復帰して、自立して食べていける世の中にしたいものです。
それにしても、弱者のための支援を続けている人々には心から頭が下がるという思いです。
生活保護より、ベーシックインカム(BI)という考え方も、今は広がっています。
こうした議論を通して、孤独な餓死者が出ない制度を皆で考える材料に
なればよいと思います。
今週、水曜日5月30日、第二回定例会に向けて、告示がされます。
6月6日、区長招集挨拶、
6月13日、14日が代表、一般質問、
議員は原稿書きに入ります。