~旧千桜小問題の論点~

関係住民の数が少なく、
平成13年に発表から14年もたっていることもあり、
構想そのものが複雑で全体把握が不可能であることから
多くの疑問をはらみながら、
この6月本格着工となりました。

6月29日の企画総務委員会で質疑をしようとした際、
冒頭担当者より、
地権者の全員が契約印を押したとのことで、
それが本当ならば、
千代田区⇔スターツ⇔16地権者
3者の関係が整ったわけで、
平成100年までの(今後73年間)開発構想がここで初めて
確定したということになります。

6月14日この計画の3つの問題点と書いたことについて、
この計画に十数年関与したものの「けじめ」として、まとめておきます。

その1)定借という手法により、議会の議決をかわしたという問題
その2)地権者が契約する前に、区とスターツが契約を交わしたという問題
その3)デベロッパー選定委員会で評価ポイントがことごとく変更されてしまったこと

その3)のポイントについては、すでに6月14日のブログに書いたので省略。
その2)については、明らかに基本協定に違反していたのですが、それでも、地権者がおいかけて署名をしたのであれば、納得づくのことであり、第三者はとやかくいえないということで省略。

ここでは、その1)の議会議決に関することを書いておきます。
区民にはわかりにくい論点です。議員でもわかっている人は少ないかもしれません。

渋谷条例
これは、渋谷区の条例です。

昨年、「新庁舎整備に関すること」と
「定期借地に関すること」の2案件を
議会に提案するため、
区長はあわせて、この条例を提案したとのことです。

重要なことは
議会と決める
これが渋谷区の姿勢なのだと思います。

渋谷区の案件は
新聞記事によると
30年の借地、
宮下公園のホテル整備のことだったそうです。

2020年のオリンピックにむけて、区長や行政としては一刻も早く決めたかったでしょうが、独断専行はしませんでした。

渋谷日経記事千代田区では、
予算を提案する際に
議会も承認しているとの言い分です。
予算で個別案件のチェックは限界があります。

議会議決をするかしないかということは、議員一人一人が73年後に責任持てますか?ということになり、必死に勉強し、情報を集めることになります。
責任の所在が明らかであれば、その議員は生きているうちずっとそのことを問われます。

かつて、多数は推進という漠然とした力関係の中で、私も、戦略を見誤ったと、反省します。もっと早くよりいい方法で進める手立てが組めたかもしれないと思うからです。

今や、不動産の状況が
かつてなく不安定で
かつ
人工や建築資材の高騰
により、
等価交換の条件を悪くしている時期の契約が、地権者の方々の不利益を招かなかったか、
維持費や借地料などは、不当に高く設定されていないか、
中堅所得者向け住宅が本当に提供されるのかなど、
議会に議決権がないため
確認するすべもないのです。

たった一人のはんこで、
73年の学校跡地利用が決まってしまうということが現実に目の前で起きると、衝撃的というか、危うさを感じたので、じたばたとしてしまった、6月議会でした。

他の学校跡地計画も目白押し、
区長があくまで議決不要というなら、議会としても準備していかないと、区民に説明つかなくなっているよと、私は思います。

FullSizeRender (10)もう一つ
蛇足

千代田区は30億円相当の価値ある土地を
スターツに73年間貸し出した。
その代りに
月々約540万円の賃借料を払ってもらえるので
区としては同等以上の対価がいただける。
区は収入にもなり、
公有地を貸し付けるだけで、
中間所得者のマンションが供給されるのだから
こんな良い話はない、
というのが、千代田区の言い分です。

けれど、事業者は、行政よりずっとしたたか。

BlogPaintこれは平成22年12月16日に
千代田区とスターツが合同で、
地域説明会をやった時の資料です。

もう5年も前の資料というけれど
議員にはこれ以降の資料はありませんし
本当かどうかはわかりませんが
区はこれ以降のものを
入手していないといいます。

154戸の予定だった住居が、地権者との協議でと、
トトトンと床が何層も増えていきました。

床を増やせば増やすほど、月額借地料も管理料も増えます。
6月14日にも書きましたが、
デベロッパー選定で、70メートル台でがんばってると評価されたことも
吹き抜けがあって通風が良いとされて、区民に胸を張って説明したことも

協議のうえで、みんな反故になって、
床は増えて、事業者の収入が増えるしくみって、
どうなの?

このような記事を読んでくれる人は少ないだろうけれど
やっぱりこれは言っておきたかったので、あしからず。

みなさま、よい週末を。

2015年7月11日
小枝すみ子